Green&Circular 脱炭素ソリューション

コラム

最終更新:2023.05.11

【脱炭素経営EXPO出展レポート】Green & Circularが提案する 脱炭素ソリューション活用法

三井物産と関連会社が取り組む脱炭素ソリューションを一元的に紹介するwebサイト「Green & Circular」が、「脱炭素経営EXPO 春」に出展しました。本記事では、その出展を通して編集長が感じた脱炭素の現状と、三井物産の取り組みおよび「Green & Circular」の今後の展望についてレポートします。後半では、同時開催された「スマートエネルギーWeek」より、三井物産のビジネスパートナーの1社である北拓、関連会社である三井物産プラントシステムの出展ブースをレポートします。

2023年3月15~17日に開催された「脱炭素経営EXPO 春」は、昨年9月の秋展に比べて2倍以上となる約6万人が来場、熱気あふれる会場となりました。その来場者の多くは「これから脱炭素に取り組む」方々。Green & Circularでは、排出量の「可視化」からその先の各種ソリューション導入に至るまで、初心者にも分かりやすくガイドし、脱炭素化に向けた「現実解」を今後も提供していきます。

「脱炭素経営EXPO」で 脱炭素の取り組みの広がりを実感

――まずは「脱炭素経営EXPO」に参加された理由を教えてください。
上野 「Green & Circular」を立ち上げて約9カ月、おかげさまでいくつかの脱炭素ソリューションは検索上位に表示され、webサイトを通じた問い合わせをきっかけにソリューションを導入する事例も増えてきています。一方で、多くのサイト訪問者はいわゆるサイレント・マジョリティであり、オンラインだけでは脱炭素に取り組む担当者の生の声を聞く機会が少ないことに課題を感じていました。そこで注目したのが「脱炭素経営EXPO 春」であり、出展を通して「Green & Circular」を認知いただくと同時に、来場者との対話を通じて課題やニーズをとらえる良い機会であると考えました。出展に際しては同時に出展する三井物産グループの3つの可視化ソリューション「e-dash」や「LCA Plus」「Earth hacks」とも連携し、脱炭素の最初のステップ「可視化」と、その後の脱炭素ソリューションの一元的な紹介を行っています。
三井物産株式会社 デジタル総合戦略室 デジタルテクノロジー戦略室 兼 DX第二室 次長 上野昌章。1993年三井物産入社、情報産業本部やプロジェクト本部において、ITや再生可能エネルギー関連の新規事業開発に従事。2020年10月よりデジタル総合戦略部にて脱炭素関連事業のDXに取組む。「Green & Circular」編集長。
三井物産株式会社 デジタル総合戦略室 デジタルテクノロジー戦略室 兼 DX第二室 次長 上野昌章。1993年三井物産入社、情報産業本部やプロジェクト本部において、ITや再生可能エネルギー関連の新規事業開発に従事。2020年10月よりデジタル総合戦略部にて脱炭素関連事業のDXに取組む。「Green & Circular」編集長。
――出展されてみていかがでしたか。
上野 感覚的には約7割の来場者が「新たに脱炭素関連部門に配属されることになったものの、何から始めていいのかわからない」という方でした。脱炭素化は、これまで一部の大企業の取り組みでしたが、中小企業や独立行政法人などの研究機関の方なども来場され、その裾野の広がりを感じました。そういった方々の生の声や業界の最新動向は、webサイトを通じて適切な情報を提供し、最適な脱炭素ソリューションを提案するためのヒントにもなります。

「Green & Circular」立ち上げの背景

――改めて、Green & Circularが生まれた背景を教えてください。
上野 三井物産には16の事業本部があり、それぞれが現場でニーズを見出し、ビジネスを考えて走る個の集団です。脱炭素については、古くは2000年頃から風力発電、太陽光発電、排出権取引などに取り組み、2020年頃からは「脱炭素はビジネスチャンス」という共通認識のもと、現場からさまざまな脱炭素ソリューションが生まれ始めました。
そうなると、顧客ニーズに対応するソリューションを持っている事業本部を社内で探し回ったり、それに気付かず同じ顧客に異なる提案をしたり、といったことも起こりはじめ、社内での情報共有が必要との問題意識から、脱炭素に関する「社内情報共有サイト」を開設しました。これを発展させ、デジタルマーケティングも取り入れながら、三井物産と関連会社の脱炭素に関する取組みを社外にも広く認知していただこうとするのが、2022年6月に公開した社外向けサイト「Green & Circular」です。
――三井物産や関連会社が取り組む「脱炭素関連ソリューション」を一堂に集め、関連する最新情報と共に、幅広い方々に活用してもらおうということですね。
上野 はい。脱炭素関連の取り組みは、三井物産単体に加え、関連会社にも多数あります。「Green & Circular」では、30以上のソリューションを紹介していますが、それらのソリューションが生まれた背景や事例を各担当者が解説しています。これに加え、脱炭素に関する世界の最新情報なども提供しています。参考になるケースも多いと思いますので、幅広い方々に当サイトの情報をうまく活用していただければと思っています。

4つのステップに合わせてソリューションを紹介

――より具体的な活用方法や、想定ユーザーはどのような層になるのでしょう。
上野 主な想定ユーザーは、脱炭素への取り組みを新たに始めようとされる方です。そのような方々に、入門編として脱炭素の考え方や進め方を分かりやすくお伝えしたいと考えています。当サイトの特徴は、各ソリューションを4つのステップと7つのカテゴリーに分けて整理している点です。具体的には、1. 排出量を把握する(可視化) 2. 資源利用を減らす(最適化 / 資源循環) 3.化石燃料を代替する(再エネ / 電池・水素 / 低炭素燃料) 4.  CO2を吸収する(森林・吸収)です。
――初心者にもわかりやすい工夫がされているのですね。「Green & Circular」からの問い合わせで多いものは、どんなソリューションでしょうか。
上野 やはり、脱炭素に向けた取り組みの第一歩である「可視化ソリューション」、なかでも製品単位でCO2排出量の算定ができる「LCA Plus」への問い合わせが多いです。それ以外にも、「電池・水素」「次世代燃料」「森林・吸収」「資源循環」など、さまざまな問い合わせをいただいており、「新たなお客様との接点が築けた」と社内でも好評で、少しずつですが社外でも認知が高まってきていると感じています。

バランスの取れた形で 脱炭素社会実現を目指す

――三井物産が目指す「脱炭素社会」の理想像を教えてください。
上野 当社は古くから資源・エネルギー分野で事業をおこなっており、その安定供給の責任を担っています。脱炭素の取り組みは重要ですが、かといって一足飛びに化石燃料の供給を止めることはできません。そういった移行期の中で、脱炭素化とエネルギーの安定供給を同時に進める「現実解」を見出し、責任を持って対応する必要があります。一方で、脱炭素に関する技術革新に向けたR&Dや実証実験にも積極的に投資をおこない、それらの活動を通じて、脱炭素ソリューションを提供する「社会的責任」も果たしていこうとしています。そうした動きの中で、三井物産の総合力を発揮し、世界中のパートナーと連携しながら「産業横断」的な取組みを推進し、現実解として脱炭素社会を実現していくことを理想としています。
――最後に、「Green & Circular」を通して叶えたいことを教えてください。
上野 脱炭素化のゴールは、世界のカーボンニュートラル実現ですが、そこに至る過程は国や企業によりさまざまです。どの企業も単一のソリューションや取組みでカーボンニュートラルを達成できることはなく、さまざまな組み合わせの中に「最適解」があると考えています。Green & Circularでは、今後個別のソリューション紹介のみならず、複数ソリューションの組み合わせ事例も紹介する予定です。それらを含め、企業の状況に応じてどういった対策やソリューションが有効かについて、極力分かりやすく、役に立つ情報を提供していきたいと考えています。

展示会はお客様とのコミュニケーションの場です(北拓)

「脱炭素経営EXPO」と同時開催された「スマートエネルギーWeek」では、風力電力のメンテナンス事業をおこなう北拓も出展していました。出入口近くの好立地に構えられた広いブースには、洋上風力発電設備の点検・メンテナンス事業を展開する、「ホライズン・オーシャン・マネジメント」(北拓と三井物産の合弁会社)の展示や、メンテナンス事業のパートナー企業である障害灯のメーカー「日本光機工業」、風力制御システムを提供する「Mita-Teknik」、スペインの「Nabla Wind Hub」などの紹介も積極的におこなわれていました。
「毎回出展していますが、一緒にお仕事をさせていただいているパートナー企業の紹介をメインにしています。この場をビジネスの商機ととらえるのではなく、私たちの日頃の活動を紹介しながら、いつもお世話になっているお客様と、直接顔を合わせる機会として活用させてもらっています」(総務部 課長 伊藤嘉隆さん)
メーカーに依存せずにすべての風車メンテナンスをおこなう、サードパーティと呼ばれる業態だけに、「エンジニアの育成がそのまま会社の成長につながる」と伊藤さんは語ります。そのため、北拓では本社のある北海道に加え、北九州、福島にメンテナンス技術員トレーニングセンターを構えています。パネルでは、各拠点で取り組んでいるトレーニング方法なども紹介されていました。
「時代の一歩先、二歩先を見据えながら、技術や情報の蓄積をおこなっています。今後もグローバルな視点で考え、新しいことにチャレンジしていきたいと思います」(前出の伊藤嘉隆さん)
洋上風力発電のO&M(オペレーション&メンテナンス)はこちらもご参照ください。
https://www.mitsui.com/solution/contents/solutions/re/69

自由な形状で運べる 液化水素燃料タンクシステム(三井物産プラントシステム)

「スマートエネルギーWeek」では、三井物産プラントシステムも出展していました。展示されていたのは、水素関連の2つの製品。1つはイタリアのHYTER社による、水素を生産する際に使われる水電解スタックです。最大の特徴は、AEM(アニオン交換膜)型と呼ばれる、触媒の貴金属が少量で済むタイプであること。これにより製品コストを大幅に削減することができます。
もう1つは、韓国LATTICE TECHNOLOGY社による液化水素燃料タンクシステムです。水素を1/800まで圧縮することができる液化水素燃料タンクであり、水素ガスよりも大容量充填が可能で、より長距離での移動が可能になります。そのため、長距離トラックや船舶、水素ステーションが近くにない工事現場の建機などでの活用が見込まれています。
「最大の特徴は、用途・設置条件に合わせてタンクの形状を自由に設計できる点です。今回、水素ガスの蓄圧ボンベは多くのメーカーが出展していましたが、液化水素タンクは少なく、多くの来場者に関心を持っていただきました。今後も、先々の水素の動向を検討しながら、お客様のニーズに合わせた展開をしていければと考えています」(三井物産プラントシステム 辻健悟)
三井物産プラントシステムが出展した水素関連装置については、こちらもご参照ください。
https://plantsystems.mitsui.co.jp/ja/news/detail/20230410/

今後も脱炭素に関する取組みやソリューションを一元的に紹介していきます

「Green & Circular」のみならず、北拓、三井物産プラントシステムの展示ブースも紹介させていただきました。このように、三井物産「Green & Circular」では、関連会社やビジネスパートナーと連携し、脱炭素に関する取組みやソリューションを一元的に紹介しています。今後も「Green & Circular」を通してお客様の脱炭素化に有益な情報を提供してまいります。
脱炭素に関連するお役立ち情報をご用意しました。​​ぜひ、ご活用ください。

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