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最終更新:2023.03.10

自然エネルギーとは?種類やそれぞれの問題点を解説!

石油や石炭といった従来のエネルギー源には限りがあります。そのため、半永久的に活用できるエネルギー源が求められています。

「自然エネルギー」は主に太陽光を源とした、「枯渇しない」エネルギーです。再生可能エネルギーとして注目されている太陽光発電も自然エネルギーに含まれています。

この記事では、自然エネルギーの種類や問題点についてお話しします。

自然エネルギーとは?

「自然エネルギー」とは、太陽、地熱、風、潮汐流といった自然現象によって得られるエネルギーの総称です。

石油・石炭から得られるエネルギーは将来、枯渇すると考えられています。
それに対して、自然エネルギーの多くは太陽光からもたらされるため、原則として太陽が照り続けている限り枯渇の心配はありません。
自然エネルギーは「再生可能エネルギー」とも呼ばれます。
また、地球環境に負荷を与えない「クリーンなエネルギー」という側面もあります。

日本では、自然エネルギーにより海外からの化石燃料に依存している状況を改善し、自給率の向上に寄与することが期待されているエネルギーです。
現状はエネルギー効率に多くの問題を抱えていますが、改善するための研究が進められています。

自然エネルギーと再生可能エネルギーとの違い

上述したとおり、「自然エネルギー」と「再生可能エネルギー」は一般的には同義です。
しかし、正確に言えば、自然エネルギーは再生可能エネルギーの一部であると言えます。

例として、「バイオマスエネルギー」「廃棄物エネルギー」「温度差・濃度差エネルギー」は再生可能ではありますが、「自然現象から生み出される」という自然エネルギーの定義には当てはまりません。
これらは、厳密には自然エネルギーではなく再生可能エネルギーに分類されます。

自然エネルギーの種類や普及率はどれくらい?

経済産業省資源エネルギー庁が発表した2017年度のデータによると、自然エネルギーによる発電量は石油・石炭など他の資源による発電量を含めた発電量全体の16.1%を占めています。
前年度と比べた増加量は168億kWhです。2010年に10%を下回っていた発電量に占める自然エネルギーの割合は、着実に増加しています。

以下では代表的な自然エネルギーの種類とそれぞれの普及率についてお話しします。

自然エネルギー①太陽光

シリコン半導体と光が反応すると電気が発生することから、太陽光は発電のためのエネルギーとして利用されています。
また、施設の屋根・壁などに設置できることから、土地の面積を占有しません。

災害時により電力会社からの供給が途絶えてしまった際の非常用電源として利用されたこともあります。
2011年の東日本大震災以降、急激に導入が増え、2016年度には全国4,200万kWを超える導入量に到達しました。
住宅に太陽光発電システムを導入する例も増えてきています。

自然エネルギー②風力

風車場の施設によって風力でエネルギーを得て発電できます。
日本では陸上に設置させる施設が中心的ですが、洋上で風力発電を行うことも可能です。
また、大規模に施設展開した際のコストの低さも高く評価されています。

日本でも古くから風力発電が行われていましたが、2000年代に入ってから急激に導入例が増えています。2016年度には設置容量350万kWに到達しました。

自然エネルギー③水力

水力発電は水資源が豊富な日本において古くから行われてきた発電方法です。
一般的にはダムで水力エネルギーを利用した発電が行われています。

さらに、近年は小規模・中規模の水力発電施設建設が活発です。安定した供給力、長期稼働可能といったメリットに加え日本に蓄積された水力発電の技術力から、日本の自然エネルギー発電量の大部分を占めています。

2017年3月時点で2,005の開発済み拠点が存在します。さらに、未開発の拠点が2,716も存在し、現状だけでなく、今後の伸びしろも大きい自然エネルギーです。

自然エネルギー④地熱

火山国日本の地熱エネルギーは、古くから活用方法が模索されていました。

国内初の地熱発電所は1966年に誕生しています。電力供給量は自然エネルギーの中で最も少ないものの、安定性が高く評価されているエネルギーです。

自然エネルギーの問題点は?

自然エネルギーには問題点もあります。

ひとつは、エネルギー変換効率の問題です。定した電力を供給するためには大きな設備が求められます。
もっとも、自身の家庭用として補助的に再生可能エネルギーを利用する個人の場合はあまり関係ありません。

また、多くの自然エネルギーによる発電は稼働状況が自然状況に依存しています。
火力発電のように需要に応じて発電量を変化させることはできません。電力を貯める仕組みや、足りない電力を補填する仕組みが必要です。

さらに、現状は発電コストが高い点も問題です。火力発電と比較すると約4~5倍のコストがかかります。

一方、上述した問題点を加味しても、地球に対してクリーンであることは事実です。
特に、地球温暖化を促進しない点については従来の火力発電とは大きく違う点と言えます。

伸び率の大きい自然エネルギーは太陽光発電

自然エネルギーの普及率に注目すると、特に太陽光エネルギーの普及率が顕著です。特に一般世帯に太陽光発電設備を設置する例が目立っています。

太陽光発電設備は、太陽光がエネルギー源であることから、再生可能エネルギーの中では比較的導入しやすいことがひとつの理由です。
また、用地を占有しない点から、既存施設の未使用スペースに導入できます。一般家庭でも屋根や壁に設置でき、発電用のスペースを新たに用意する必要はありません。

太陽光発電であれば既存送電設備の電力が供給されていない遠隔地でも電力を自給できます。さらに、相次ぐ災害から非常用電源として導入する例は増加中です。
近年は、発電に必要な太陽電池モジュールの価格が下がっている点も注目されています。発電コストについても、2014年以降は発電単価が電灯料金を下回っています。

こうした状況から、新たに導入する自然エネルギーとしては太陽光発電がおすすめです。
地球に与える負荷が少ないこと、半永久的に稼働できることから、自然エネルギーは化石や石炭といった従来のエネルギー源にとって代わる存在になるかもしれません。

現状は、変換効率を中心とした問題も多く抱えていますが、改善が進められています。自然エネルギーで生成された電気を当たり前のように利用する未来も遠くないかもしれません。

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