各種PPAモデルをトータルパッケージで提案 効率的な再エネ供給を目指す - Green&Circular 脱炭素ソリューション|三井物産

Green&Circular 脱炭素ソリューション

ソリューション再エネ

最終更新:2024.06.27

各種PPAモデルをトータルパッケージで提案 効率的な再エネ供給を目指す

エネルギー価格の高騰やFIT制度の変更にともない、長期安定的に再生可能エネルギーを調達できる「オンサイトPPA」や「オフサイトPPA」に注目が集まっています。それぞれの違いやメリット・デメリットも含め、三井物産プラントシステムが考えるPPA事業の戦略や将来性を紹介していきます。

三井物産プラントシステムが推進するPPA事業は、脱炭素化社会の実現につながるものです。「オンサイトPPA」も「オフサイトPPA」も手がける同社の実績、今後の可能性について幅広く話を聞きました。

プラント・機械専門商社が提案する 脱炭素ソリューション

──三井物産プラントシステム(以下、MPS)が取り組んでいるPPA(Power Purchase Agreement=電力販売契約)事業について伺います。まずは、御社の企業概要から教えてください。
古山 MPSは三井物産100%出資の機械・インフラ商社です。電力・交通・製鉄・化学などあらゆる産業のお客様に、プラントや機械設備の物流・技術・サービスを提供しています。
社会やお客様の抱える課題が多様化する中、新たなビジネスモデルで解決するインフラ業界のソリューションプロバイダーを目指しており、その思いを新ブランド「変わる。だから、変わらない。」に込めています。
古山 直也|ふるやま なおや三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 部長。2011年、三井物産入社。物流インフラ事業部にて空港や港湾ターミナル事業に従事後、韓国研修員等を経て、2016年から日本国内での電力小売事業を始めとするコミュニティビジネス・New Downstream事業を担当。2022年から三井物産プラントシステムに出向し、太陽光によるオンサイト・オフサイトPPA事業開発に従事
古山 直也|ふるやま なおや
三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 部長。2011年、三井物産入社。物流インフラ事業部にて空港や港湾ターミナル事業に従事後、韓国研修員等を経て、2016年から日本国内での電力小売事業を始めとするコミュニティビジネス・New Downstream事業を担当。2022年から三井物産プラントシステムに出向し、太陽光によるオンサイト・オフサイトPPA事業開発に従事
──近年は脱炭素分野での取り組みにも力を入れていると聞いています。
古山 本日ご説明する太陽光発電以外でも、アンモニアや水素混焼、燃料転換技術、CO2回収技術など、トータルパッケージとしてお客様の省エネ化や脱炭素化事業を推進しています。
──MPSがPPA事業に参画した経緯を教えてください。
古山 2012年に始まったFIT(再生エネルギーの固定価格買い取り制度)に基づいて、MPSでは太陽光DSO事業(Develop, Sell & Operate)に取り組み、再エネ開発に関する実績やノウハウを蓄積してきました。

一方、FIT制度による買い取り価格は段階的に引き下げられているので、非FIT型への事業モデル転換も必要です。そこで、民間企業に長期的に安定した再エネ供給をおこなうPPA事業に取り組むことになりました。
※FIT制度の変更について詳しく知りたい方は「FIP制度とは? 固定価格買取制度(FIT)との違いや 導入のメリット・デメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。
※PPAモデルについて詳しく知りたい方は「PPAモデルとは?太陽光発電を初期投資なしで導入できる仕組みを紹介」をご覧ください。
※太陽光発電の最新動向について詳しく知りたい方は「太陽光発電の現在地と課題ー期待されるペロブスカイト太陽電池」をご覧ください。

PPAモデルなら初期投資もメンテナンスコストも不要

──企業がPPAを導入するメリットはどこにあるのでしょうか。
木村 電力会社からの購入価格にもよりますが、一般的には電気料金が下がるケースが多くなります。また、15年から20年が目安となる長期固定価格なので、電気料金や非化石価値証書料金(※1)が将来上昇するリスクを回避できるというメリットもあります。
※1 非化石価値証書料金=非化石電源(再エネ、原子力)由来の電気が持つ「非化石価値」を証書化したものの料金
木村 亮太|きむら りょうた三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 シニアマネージャー。2014年キャリア入社。海外電力営業部隊にて主に中南米向けインフラ機器輸出業務に従事。2017年に現本部の前身となる新エネルギー推進本部へ異動、太陽光発電事業のセカンダリー売買を中心とした開発案件を担当。直近はオフサイトPPA事業開発に従事
木村 亮太|きむら りょうた
三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 シニアマネージャー。2014年キャリア入社。海外電力営業部隊にて主に中南米向けインフラ機器輸出業務に従事。2017年に現本部の前身となる新エネルギー推進本部へ異動、太陽光発電事業のセカンダリー売買を中心とした開発案件を担当。直近はオフサイトPPA事業開発に従事
──太陽光発電設備を自社で保有するのではなく、PPAを採用するメリットを教えてください。
佐藤 設備の所有者が第三者になるPPAの場合は、初期投資が不要となり、メンテナンスにおいてもコストや人員を割く必要がありません。自社の敷地内に設備を設置する「オンサイトPPA」と、離れた場所に設置する「オフサイトPPA」の2通りがありますが、「オンサイトPPA」であれば工場や倉庫の屋根や遊休地を有効活用しながら再エネの調達が可能となります。
佐藤 千元|さとう ちはる三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 主任。2016年入社。現本部の前身となる新エネルギー推進本部で3年間メガソーラーの開発・運営に従事。2019年改革推進本部に異動し、太陽光発電設備・蓄電池を活用した自治体向けBCP対策事業の提案業務を経て、2022年から現本部でオンサイトPPA事業の開発・運営を担当。直近、事業投資型案件の陸上風力事業の開発にも従事
佐藤 千元|さとう ちはる
三井物産プラントシステム 次世代事業開発本部 開発第一部 主任。2016年入社。現本部の前身となる新エネルギー推進本部で3年間メガソーラーの開発・運営に従事。2019年改革推進本部に異動し、太陽光発電設備・蓄電池を活用した自治体向けBCP対策事業の提案業務を経て、2022年から現本部でオンサイトPPA事業の開発・運営を担当。直近、事業投資型案件の陸上風力事業の開発にも従事
木村 金融庁が、東証プライム上場企業に対して「温暖化ガス排出量の開示義務付け」を検討するなど、脱炭素推進に対する社会的な要求はさらに厳しくなる見込みです。

脱炭素を推進するにはいくつかの方法があり、たとえばJ-クレジットや非化石証書、グリーン電力証書などを購入するという方法があります。しかし、こうした環境価値証書を購入しても、世の中の再エネ総量に変化はないという現実もあります。

一方、自社で消費する電力を新たに設置する太陽光発電設備から調達すれば、世の中の再エネ普及拡大にも繋がり、より直接的な脱炭素の推進ができるわけです。また、本業ではない企業が太陽光発電事業に取り組むには人材や資金リソースという課題が発生しますが、PPAを採用すればそうした課題がクリアできます。
※Jクレジットについて詳しく知りたい方は「【解説】CO2排出権取引の国際動向とJ-クレジットの未来」をご覧ください。
※グリーン電力証書について詳しく知りたい方は「グリーン電力証書とは?発行事業者やもらうメリットをわかりやすく解説」をご覧ください。
佐藤 毎月の発電量に応じてPPA事業者に電気料金を支払う形になるので、バランスの良いソリューションです。

「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」の違いとメリット・デメリット

──先ほど、「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」のお話がありましたが、それぞれのメリット・デメリットも教えてください。
佐藤 自社の敷地内に設備を設置する「オンサイトPPA」は、比較的短期間で開発が可能で、遠くまで送電する必要がないというメリットがあります。一方で敷地面積が限られるため、規模を大きくすることが難しいという面もあります。
木村 「オフサイトPPA」は規模感を出すことができるというメリットがありますが、開発に時間とコストがかかります。また、離れた場所から送配電網を通じて送電するため、仕組みや契約関係が複雑になるのもデメリットのひとつです。
そのようなことからも「オンサイトPPA」を第一に考え、そこでまかない切れない場合は「オフサイトPPA」を検討する、というのが一般的な順序だと思います。

価格競争力のある「オンサイトPPA」の提案〜完成までの事例

──2024年3月15日、エフピコ関西工場・関西ハブセンターの屋上に設置した太陽光発電所が運転を開始したとうかがいました。オンサイトPPA導入の実例として、検討から完成までの経緯をお聞かせください。
佐藤 冒頭にあった、FIT制度の変更にともない、エフピコの社内でも新しいスキームを検討する動きがあったと聞いています。そこで当社からいくつかの提案を差し上げた中で「オンサイトPPA」をおこなうことになりました。

EPC(Engineering, Procurement, Construction=設計、調達、施工)に関しては、実績もあり、見積りの内容からもシャープエネルギーソリューションにお願いすることになりました。PPA事業の場合、施工が完了した発電所を金融投資家に売却することになります。今回は、金融投資家として三菱HCキャピタルエナジーと契約を交わしており、施工完了と同時にお引き渡しをしています。

PPA期間中は、エフピコが三菱HCキャピタルエナジーに電気料金を支払う形になり、設備のメンテナンスは三菱HCキャピタルエナジーが選んだ業者が請け負うことになります。もちろん案件が異なれば関係者は変わりますが、基本的なスキームは変わりません。
──資産である発電所を第三者に売却するのはなぜでしょうか。
古山 当社には、これまでの経験や実績を活かして、太陽光発電所を開発する機能があります。一方、金融投資家には資金調達能力があり、太陽光発電のような安定収益事業への投資を希望しているという事情があります。

それぞれの強みを活かし、得意分野へ特化することにより、結果として顧客に価格競争力のあるPPA事業を提案することが可能になります。所有者が第三者になることで、顧客が初期費用の負担・保守管理・資産管理から解放されるというメリットも生まれます。
──エフピコ関西工場・関西ハブセンターの発電容量は1,479.18kW、稼働に伴うCO2の削減量が年間約689t-CO2だとうかがいましたが、これはどの程度の規模感なのでしょうか。
佐藤 一般家庭の平均的な電力消費量を3,000kWh/年だと仮定すると、約575世帯分の年間電力消費量に相当する規模です。一般家庭の平均的なCO2排出量を2.6t-CO2だと仮定すると、約270世帯分の年間CO2排出量に相当します。
エフピコ関西工場および関西ハブセンターに設置された太陽光パネル
エフピコ関西工場および関西ハブセンターに設置された太陽光パネル

三井物産のネットワークを活用し 余剰電力の販売も可能

──この事業を実現するにあたっての、MPSの強みはどこにあるのでしょうか。
古山 「オンサイトPPA」でも「オフサイトPPA」でも共通していますが、必要に応じて太陽光発電のパネル調達から工事施工まで、当社は適切なスキームを構築することができます。太陽光では日本最大級の施工実績があり、完工後も顧客や発電所運営を適切にサポートすることができます。
木村 工場や事業者によっては「土日は完全にお休み」というところもあり、その場合は太陽光発電からの余剰電力が発生します。MPSであれば、三井物産のネットワークを活用して余剰電力の販売も検討できますし、逆に太陽光が発電できない夜間の電力調達も可能です。

「オフサイトPPA」セブン-イレブン・ジャパンとの取組み

──「オフサイトPPA」の実例についてですが、MPSとセブン-イレブン・ジャパン、東京ガスによるオフサイトPPAに取り組むと伺っています。
木村 特殊なケースにはなりますが、3社が連携することで、セブン-イレブンの約750店舗に太陽光発電約1,150万kWh/年を供給するスキームを構築し、年間で約4,500t-CO2のCO2を削減します。

仕組みが複雑な「オフサイトPPA」もMPSならワンストップ

──オフサイトPPAの将来性についてはどのようにお考えでしょうか。
木村 日本中の工場の屋根に太陽光パネルを設置すると、「オンサイトPPA」はそこで頭打ちになってしまいます。従ってその先は「オフサイトPPA」を検討していくことになると思います。

一方で、「オフサイトPPA」は比較的新しいビジネスモデルです。遠隔地に発電所を新規開発した後、どのように電力や非化石証書を顧客に販売するか、出力が不安定な太陽光だけでまかない切れない部分をどうするか、複雑な制度設計や会計処理をどう整理するかなど、調整・検討すべき事項は多岐にわたります。

ただし、仕組みが複雑になるほどMPSが活躍できる余地が広がるとも言えます。三井物産グループの総合力により、ワンストップで多様な機能やサービスが検討できるためです。また、具体的な数値を示すことは難しいのですが、今後は「オンサイトPPA」より「オフサイトPPA」のほうが遥かに大きな需要が見込まれていることも確かです。
──MPSの今後のビジョンをお聞かせください。
古山 今後は親会社の三井物産と一体となってPPA事業を展開する予定です。MPSがこれまで培ってきた発電所開発に関するノウハウと、三井物産が保有する販売やトレーディングに関する知見や機能を組み合わせ、発電から販売まで三井物産グループでシームレスに取り組む「Gentailerモデル」(註:GeneratorとRetailerを組み合わせた造語)に注力していきたいと思います。
──最後に、脱炭素社会の実現に向け、事業を通じて実現したい夢を教えてください。
古山 電力は私たちの日常生活や経済活動に欠かせない存在であり、日本の発展に不可欠なエネルギー源です。このクリーンな再生可能エネルギーをもっと増やしていきたい。その結果として自分の子どもを含む次世代に、豊かな社会を残していきたいと思っています。
木村 今後も、三井物産グループの多様なネットワークとノウハウを活用しながら、既存の枠組みにとらわれず再エネ電力供給のさまざまな事業モデル開発に挑戦していければと思います。その結果として、再エネを軸とした「エネルギーの地産地消」が実現され、世の中に浸透される社会づくりに貢献できればと思います。
佐藤 現在のオンサイト・オフサイトPPAモデルを発展させ、脱炭素・CO2削減に取り組む顧客にとって付加価値の高いサービスづくりに取り組みたいです。ビジネスの関係者にメリットを感じてもらうことはもちろん、社会に対する再エネ普及の一助となれれば幸いです。
──本日はありがとうございました。
「オンサイトPPA」や「オフサイトPPA」のご提案から運用まで、幅広くサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください!

関連リリース

View More

関連ソリューション

関連する記事

ご質問やご相談など、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームはこちら