Green&Circular 脱炭素ソリューション

ソリューション可視化

最終更新:2023.04.20

「脱炭素経営EXPO」で見えた CO2排出量「可視化ソリューション」の今

「脱炭素経営EXPO春」に出展した、三井物産が提供する3つのCO2排出量可視化ソリューション「e-dash」「LCA Plus」「Earth hacks」。出展を通して見えてきた脱炭素経営と可視化ソリューションの最新動向を、担当者のコメントとともにレポートします。

2023年3月15~17日に開催された「脱炭素経営EXPO 春」は、昨年9月の秋展に比べて2倍以上となる約6万人が来場、熱気あふれる展示会となりました。なかでも、脱炭素経営の最初のステップである「可視化」ソリューションはここ1年で大きく増え、各ブース活況の様子でした。そのような状況のなか、三井物産グループとして幅広いニーズに応えるべく、企業視点、製品視点、生活者視点の3つの視点で提供されているCO2可視化ソリューション「e-dash」「LCA Plus」「Earth hacks」はそれぞれ、可視化ソリューションの先駆者として、特徴のある一歩進んだ展示・PRをおこないました。

「可視化の先」を見据える「e-dash」

前回に引き続き出展した「e-dash」は、「e-dashで叶えるCO2排出量の可視化」「e-dashで叶えるCO2排出量の削減」「金融機関にもっとも選ばれる可視化サービス」の3つのテーマで展示しました。
電気やガスの請求書をアップロードするだけで、月々の使用量と水道光熱費をデータ化することに加え、企業単位のCO2排出量を自動算出する「e-dash」の利便性に、来場者も興味津々。管理の手間を省きながら、効率的かつ正確にCO2排出量を把握できるメリットを、デモを通じて直接感じられる展示となりました。
パネルには、長野県須坂市と八十二銀行が連携し「e-dash」を用いて市内企業のCO2排出量可視化を支援する取り組みや、実際のユーザー企業のインタビューが、ユーザーの顔写真とコメントと共に掲載されており、その親しみやすいブース設計に多くの来場者が足を止めていました。
「多くの可視化ソリューションがある中で、e-dashの利便性をお客様の生の声としてお届けすることにこだわりました。顔写真がこれだけ載っているブースはあまりないですよね(笑)。須坂市との取り組みもあって、企業だけでなく自治体からの関心も高まっています。地域での脱炭素化は、今後も自治体と金融機関がその中核を担って進められていくと思います」(e-dash 代表取締役社長 山崎冬馬)
e-dash 代表取締役社長 山崎冬馬
可視化ソリューションに加え、可視化の先を見据えたサービスとして、「e-dash」に収集・蓄積されたエネルギーデータをそのまま活用し、報告書の作成から出力までをワンストップでおこなう新機能「省エネ法定期報告 via e-dash」、民間企業としては日本初となるJ-クレジットのオンラインマーケットプレイス、非化石証書の代理購入サービスなど、可視化のその先を見据えた新たなサービスも紹介されていました。
「脱炭素に関心の高い方々が持つニーズや、e-dashの評価を直接聞ける良い機会となりました。今回反響が大きかったのは、『省エネ法定期報告 via e-dash』と、J-クレジットの購入が可能なオンラインマーケットプレイスです。J-クレジットは以前より相対で取引がおこなわれていましたが、マーケットプレイスでオープンに取引ができるようになることが皆さまの関心を集めたのだと思います。これらへの反響が大きかったのは、企業が可視化の先を見据えはじめているということなのだと思います」(前出の山崎社長)

可視化の標準化を見据える「LCA Plus」

製品単位のCO2排出量を可視化するプラットフォーム「LCA Plus」も出展されていました。
曲線を多用したかわいらしい外観に足を踏み入れると、展示パネルを通じてLCA(ライフサイクルアセスメント)の説明、「LCA Plus」が選ばれる理由、「LCA Plus」に触れるデモスペースと続きます。また、国内唯一のカーボンフットプリント認証機関「SuMPO」との共同開発であることなどを通して、LCA Plusの信頼性が伝わる展示となりました。新サービス「ISOに基づく排出量算定結果検証(お墨付き)」と、そのモデル実証企業の募集にも多くの方が関心を寄せていました。
「ブースへの入りやすさを工夫しました。来場者には脱炭素について詳しい方もそうでない方もいらっしゃいます。そのため、初心者向けのわかりやすい解説から上級者向けの詳細な内容までを網羅し、ご理解いただいたうえでデモを見ていただく流れを意識しました」(LCA Plus 長谷川明彦)
LCA Plus 長谷川明彦
「エコプロ2022に出展した昨年12月に比べると、(説明は不要で)デモが見たいという来場者が増えました。そういった点から、脱炭素への関心が高まり、排出量の可視化に真剣に取り組む企業が増えていることを実感しました。また、多くの可視化ソリューションが新たに出てくる中で、LCA Plusの優位性をしっかりと伝えていくことが必要と感じました」(LCA Plus  佐久間友里乃)
LCA Plus 佐久間友里乃
最後に、欧州を中心に規格化が進むグローバル情報連携基盤「Catena-X」との連携・接続や、製品単位でのCO2排出量算定ガイドラインを検討する「経済産業省CFP検討会」への委員としての参加、同業他社とのシステム連携を図る「Green × Digital」への参加など、排出量算定の標準化に向けた動きが進んでいることがLCA Plusの最新動向として確認できました。
「排出量算定の標準化に向けた活動は、今後も積極的におこなっていきます。そういった活動は業界の活性化はもちろん、お客様への安心感にもつながっていくと思っています。
今回出展して感じたのは、可視化ソリューションを提供する企業が増えていることです。それだけニーズがあるということで、他社に先んじて製品単位での排出量可視化プラットフォームをリリースした我々の取り組みは間違っていなかったとも言えます。一方で、多くの可視化ソリューションの中で、LCA Plusの優位性をしっかりと伝えていかなければなりません。出展を通して、直接ご説明してデモを体験してもらうことで理解を深めていただける。これは出展の大きな意義であり、自信になりました」(前出の長谷川明彦)

可視化後の「伝え方」に注目。際立つ「Earth hacks」の存在感

独自メディアやSNSを通した環境配慮型の商品についての情報発信、eコマースやマルシェの開催、新たなCO2排出量削減指標「デカボスコア」の導入、脱炭素化に向けたアイデアを募集する「デカボチャレンジ」など、生活者が楽しみながら脱炭素に貢献する仕組みをプラットフォームとして提供する「Earth hacks」。可視化ソリューションが乱立する中でも、生活者を対象とした可視化ソリューションは珍しく、「脱炭素経営EXPO」でも注目が集まりました。
パネルや動画解説モニターでは「Earth hacks」の概要や、「デカボスコア」についての解説を中心に紹介。デカボスコアを表示した日本各地の商品を展示するなど、見てわかりやすい工夫がされていました。
「出展を通して、ここ1年で脱炭素に関するソリューションやテクノロジーが大きく進んでいることを感じました。とくに可視化に関するソリューションは驚くほど増えています。脱炭素化を進めるには、まずは排出量を可視化することが大事ですが、それをどのように伝えていくのか。Earth hacksの『デカボスコア』は一つの解答を示していると思っていますが、そこへの興味・関心が高まっていることを実感しました」(Earth hacks 関根澄人)
Earth hacks 関根澄人
生活者と強い接点を持つ「Earth hacks」は、企業と生活者の感覚のズレを敏感に察知しています。
「企業にとって脱炭素は、取り組まなければならない喫緊の課題ですが、生活者は脱炭素が大事だと思っているものの、そこまで大きな関心ごとではありません。このギャップは意外と大きい。生活者はサステナブルな商品だから買いたいのではなく、可愛い・美味しい・楽しい・かっこいいから商品やサービスを購入しようと思うわけです。それが結果として脱炭素につながるなら、なお嬉しい。一方で、企業側には『サステナブルなのだから、高くても買ってくださいね』という態度が見え隠れしています。このギャップを埋める『Earth hacks』の取り組みは、今後ますます注目されると思いました。この1年で可視化が当たり前になってきたことを考えると、来年にはもう、伝え方を考えるようになっているかもしれません」(前出の関根澄人)

脱炭素化への取り組みは着実に進んでいた

「脱炭素経営EXPO」のみならず、同時開催の「スマートエネルギーWeek」「サーキュラー・エコノミーEXPO」も含め、出展者も驚くほど熱気に満ち溢れた3日間となりました。「この4月から脱炭素に関連する部門に配属・異動になる」来場者も多く、脱炭素に取り組む企業は今後ますます増えていくことが予想されます。「脱炭素経営EXPO春」では、これから脱炭素に取り組む人が最初に考える「可視化」ソリューションの出展が多く、特に注目を集めていましたが、中には可視化の先のソリューションに関心を寄せる企業もありました。脱炭素社会の実現に向けた取り組みは、着実に進んでいることが伺えました。
脱炭素に関連するお役立ち情報をご用意しました。​​ぜひ、ご活用ください。

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